依佐美送信所
皆さんはどのような時にワクワクするでしょうか。
私の場合には一言で言うことは難しいのですが、鉄塔や建物などが好きで好みのものに出会うとワクワクします。(こういうものをまとめて表す言葉が分かりません…)
時折そういったものを異常に欲する時があるのですが、そういった欲で悶々としている中、ネットの海をさまよっていたときに依佐美送信所を知りました。
依佐美送信所は愛知県刈谷市(旧碧南市依佐美村)にあった送信所で、太平洋戦争開戦のきっかけとなった真珠湾攻撃の暗号『新高山登レ一ニ〇八』を送った送信所の一つで、巨大なアンテナ鉄塔群と巨大な送信設備があったようです。
詳しくは依佐美送信所記念館の公式ページをご覧ください。
今は鉄塔も解体され、送信設備の一部が記念館の中に保存されているとのこと。
鉄塔は無くなったものの、アマチュア無線をやっていた人間としては興味が湧きました。
記念館を訪ねる
自宅からそこまで遠くないということで、休日に依佐美送信所記念館を訪れました。
大きな看板が出ているわけでもなく、フローラルガーデンよさみという公園の中に記念館はひっそりと建っていました。
訪れたのは平日でしかも雨天ということで、私以外に来館者はいませんでした。
記念館の前にはかつてのアンテナ鉄塔の基部が展示してありました。
アンテナ鉄塔自体は今はもうないものの、その1/10の高さとのこと。当時は名古屋駅のセントラルタワーズと同じくらいの高さがあり、東京タワーができるまでは東洋一の高さを誇っていたようです。
当時の様子はどのようなものだったのか、思いをはせながら館内を回ります。
館内には送信に使われていた設備が展示されています。
当時は半導体はおろか真空管もなかった時代。巨大な電動機と発電機で電波のもととなる高周波を作っていたようです。
送信所の回路図や送信系統についても詳しく解説があります。
かつて送信所で使われていた備品も展示されています。
モータ・発電機のスリップリング。とても良いです。
夕日…ではなく照明です。
館内を回っていたら警備員さんが点けてくれました。
金属の塊感がたまりません。
アナログメータを見るとついつい写真を撮ってしまいます。
産業遺産に触れて
初めて産業遺産というものに触れることができました。
想像していたよりもかなり大きな設備で圧倒されました。知る人ぞ知るマイナーなスポットですが、その知名度にそぐわない迫力です。ぜひお近くに来た時には訪れてみてください。