超広角しか撮れないコンデジという個性
SIGMAといえばレンズメーカのイメージがありますが、実はカメラも作っています。
他のメーカが作らないような尖ったカメラを出していて、少し前にはSIGMA fpが世界最小のフルサイズミラーレスということで話題になりました。
そんなSIGMAが作ったコンデジの一つがdp0 Quattroです。
35mm換算21mmの画角、開放F値4.0 の単焦点レンズを搭載したコンデジで、Foveonセンサーを搭載しています。
ディストーション・ゼロ
dp0 Quattroのレンズの特徴はなんといっても歪みが見られないということです。
広角になるほど歪みが発生しやすいのですが、dp0 Quattroはそれらの歪曲を極限までなくしています。
その結果、超広角でありながら歪みが少なく素直で美しい描写を得ることができます。
Foveonによる解像
もともと私がdp0 Quattroを知るきっかけとなったのはFoveonによる解像でした。
夜景を撮るためにより高解像のカメラを探していたところ、SIGMA dpシリーズに出会いました。
ISO感度を100より大きくすると途端にノイズが乗ってひどいことになりますが、三脚を立てて長時間露光する分には問題ありません。
Foveonセンサによって得られる像は拡大してもどこまでも解像するような緻密さを持っています。
寄れる広角
カメラ(レンズ)の性能の一つに「最短撮影距離」があります。要するにどこまで寄ってピントを合わせることができるか?を示したものです。
dp0 Quattroのあまり知られていない魅力の一つに、最短撮影距離が短い、ということがあります。
最短撮影距離は18cmで、最短撮影倍率は1:7.8です。
dp0 Quattroはレンズが長いので実際にはレンズにかなり近い位置でもピントが合います。
超広角で寄ることによってダイナミックな写真を撮ることができます。
じっくり、写真に向き合うためのカメラ
いいことづくめのように思えるdp0 Quattroですが、AFが遅い、データの書き込みが遅い、RAW現像ソフトが使いづらいといった難点もあります。
動きものや連射が必要な被写体は向いていないですが、一枚一枚じっくりと写真を撮っていく、フィルムでの撮影に近い感覚があると私は思います。
じっくりと、写真に向き合うにはとても良いカメラだと思います。